HandyDob6 ユーザーマニュアル

最終更新日：2025年12月1日

HandyDob6は、携帯性と組み立てのしやすさを極限まで高めた超軽量のドブソニアン望遠鏡です。従来の大きくて重い望遠鏡とは異なり、3Dプリント技術で製作されたフレームは軽くて丈夫であり、分解や組み立ても簡単です。子どもから大人まで、初心者から上級者まで誰でも手軽に天体観測を楽しめるよう設計されています。6インチ（150mm）の主鏡を搭載し、月、惑星、星団、銀河など多様な天体の観測が可能です。17インチの旅行用バッグに収納でき、飛行機の機内にも持ち込めるサイズと重量です。

製品仕様

項目	内容
種類	旅行用ドブソニアン望遠鏡
口径	150mm（放物面鏡、保護コーティング）
鏡面精度	メーカー基準 PV 1/6~1/8 λ
焦点距離	750mm
F値	5
斜鏡	38mm（保護コーティング、ヒーター内蔵） *ホルダーは Antares Optics の 1.52インチ Axis 副鏡にも対応するように設計されています。
フォーカサー	1.25インチ、CNC加工、精密ベアリングスライド、35mmトラベル
ファインダー	レッドドットファインダー
本体サイズ	250mm × 280mm × 110mm
本体重量	4.2kg
バッグサイズ（17インチ）	400mm × 300mm × 180mm（取っ手除く）
総重量（バッグ含む）	7.8kg（全アクセサリー含む）
組立後のフォーカサー高さ	745mm（天頂を向けたときの地面からの高さ）

特長

3Dプリントによる旅行用ドブソニアン望遠鏡
本体素材：高品質PETG-CF（カーボンファイバー入り）
主鏡・斜鏡の保護カバー、クリップはPETG製
トラス支柱を含むすべてのパーツがバッグに収まる
飛行機機内持ち込み対応サイズ
ミニ六角レンチセットのみで空港検査を通過可能
簡単かつ迅速な組み立て・分解
最小限の接続ボルト（9本）

主鏡

直径153mmまで対応
調整用ネジ3本で位置調整可能
マグネット式で取っ手付きの保護カバー

斜鏡

ヒーター内蔵、USB 5V マグネット接続
保護カバーと専用ケース付属
着脱式マグネットホルダーと位置ガイド付き
副鏡をアップグレードしたい方へのおすすめ
- 副鏡の実測サイズは 38.5 mm（わずかな誤差あり）です。ホルダーは Antares Optics の 1.52インチ Axis 副鏡にも対応するように設計されています。

フォーカサー

アルミ合金CNC加工、1.25インチ対応
精密ベアリングスライド方式、35mmトラベル
たわみを抑える設計

トラス支柱

安定した重心設計
重いアイピースやスマートフォンにも対応

バランス調整

220gのマグネット式ウェイトとゴムバンド付属
標準装備の高度固定ピン（5度）
三脚取付可能（3/8インチネジ対応）
取り外し可能なドットファインダーとフード付属
高さ調整可能なゴム足
組立ガイド用の矢印印刷
冷却ファン：40mm デュアルボールベアリング、USB 5V、マグネット式
水平器内蔵

同梱品一覧

本体（上ケース、下ケース、ミラーボックス、ミラーセル、アッパーケージ）
着脱式1.25インチフォーカサー
トラス支柱 16本（組立時は8本使用）
サイドベアリング2個、固定用横バー2本
斜鏡（ホルダー付き）、保護カバー、専用ケース
取っ手付き主鏡保護カバー（マグネット式）
斜鏡ヒーター用USBケーブル（マグネット式）
ヒーター用USBオン／オフスイッチ
フォーカサー揺れ防止ブラケット
トラス支柱用振動防止ブラケット×4
冷却ファン（マグネット式）
専用ベルベットポーチ×7（ベアリング用1、支柱用1、汎用5）
ミニ六角レンチセット（1.5、2、2.5、3、4mm）
マグネット式ウェイト220g
バランス調整用ゴムバンド×2
専用17インチキャリーバッグ

組立動画

HandyDob6の全体動作（重心とバランス）

Play Video on YouTube

ケースの分解と組み立て

本体には、組み立てや分解の際に方向を確認できるよう、矢印ガイド（三角形）が表示されています。

Play Video on YouTube

ミラーボックスへの Push-To Air の取り付け方法

HandyDob6 セットには、ミラーボックスにドブテールベースを取り付けるための下部ドブテールブラケットが付属しています。 Push-To Air を取り付けることで、重いアイピースを使用する際にバランスを改善する追加のウエイト効果も得られます。

Play Video on YouTube

レッドドットファインダーに電池を取り付ける方法

⚠️ 警告：お子様の手の届かない場所に保管してください

ボタン電池／コイン電池は危険であり、飲み込んだり体内に入れたりすると、最短で2時間以内に重傷または死亡するおそれがあります。飲み込んだ、または体内に入った可能性がある場合は、直ちに医師の診察を受けてください。

Play Video on YouTube

ヒント

製品到着後、最初にミラー固定ボルトをゆるめる

輸送中の衝撃による破損を防ぐため、ミラーを固定するナイロンボルトやミラークリップ固定ボルトが、初期状態では比較的強く締められている場合があります。しかし、ミラーに圧力がかかると表面がわずかに変形し、星像が歪む原因となります。光学性能を維持するためには、ミラーにストレスがかからないよう、ボルトを適切に緩めておくことが重要です。

初めて使用する前に、ミラーがぐらつかない程度の最小限の圧力だけが残るようナイロンボルトを少し緩めてください。ミラークリップも、ミラー表面を押さえつけないよう適度に緩めてください。

より厚いミラーに交換してミラークリップとの高さが合わなくなった場合は、ミラークリップの下にワッシャーやスプリングを追加して高さを調整してください。

ファインダーまたはスマートフォンホルダーの取り付け強度の調整方法

ファインダーやスマートフォンホルダーを取り付ける際、きつすぎたり緩すぎたりする場合は、下の図に示す2つの位置（公差）調整ボルトで調整することができます。画像のように、位置を固定するための2本のボルトがあり、この2本のボルトで取り付けのきつさを調整します。ボルトを強く締めると緩くなり、ボルトを緩めるときつくなります。

高度ベアリング（垂直方向）のテンション・重心調整方法

ドブソニアン望遠鏡において「スティクション（Stiction）」とは、 静止摩擦 + 動摩擦の複合現象であり、動き始めるときに必要な力が、動きを維持する力よりも大きくなることを指します。一般的には、テフロンパッドとラミネート表面の組み合わせでスティクションを低減します。

HandyDob6 では、伝統的なラミネートの代わりに、3Dプリンター特有の表面テクスチャを活用しています。

方位角（水平） は、テフロンパッド + テクスチャ入りPEIプレート（3Dプリント）の組み合わせ。
高度（垂直） は、3Dプリンターの Fuzzy Skin（ファジースキン） 仕上げを採用した細かな凹凸のある表面です。ファジースキンは、最適な動作になるよう複数回のテスト調整が行われています。

高度方向は水平回転とは異なり、重心変化に非常に敏感です。使用するアイピースやアクセサリーによって、追加のテンション調整や重心補正が必要になる場合があります。

以下は重心を調整する主な方法です：

サイドベアリングガードのノブボルト調整
- 左右のガードのノブでテンションを調整できます。接触面には薄いテフロンパッドあり。
付属カウンターウェイトを使用
- 必要に応じて、ミラーボックスに磁石式ウェイトを取り付け、重心を下げることができます。
付属のゴムバンドで追加テンション
- 付属ゴムバンドでテンションを追加できます。より柔らかい／強いテンションが必要なら、別のゴムバンドに交換も可能。
付属の下部ドブテールベースにアクセサリーを装着
上部の重心補正（Push-To Air や超軽量アイピース使用時）
- 上部が軽くなりすぎる場合、スマホホルダーなど軽量ウェイトを取り付けて補正できます。